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2019/06/23 17:03
西寧に着いた翌日。
この日は午前中に飛行機でゴルムドへ。
前日、宿のメガネ男子にゴルムドへ行くと言ったら、””時間の無駄”とポカンとされてしまいました。
何もないところだし、行く人いないと。
そんなことはありません。
中国最大の塩湖、チャルハン塩湖があるのです。
彼もそれは知ってはいるけれど、それでも何しに行くの?と言いたげでした。
宿から歩いてすぐのバスターミナルから空港へ。
バスのチケット売り場のお姉さん、”あぁめんどくさい。朝からガイジン来た” みたいな
不愛想極まりない対応だったけど、そこまで行くともはや1ミリも他人に媚びるなんて言葉は知らないだろう
自我の強さに感心してしまったりする。
国内線の搭乗口はこじんまりした感じでした。
1つ前の便、北京行は駆け込み客が次々やってきて、出発が遅れてないかな?と感じましたが、
ゴルムド行はなぜか10分フライングで出発。
駆け込む乗客などいるわけないと言うこと?
短時間のフライトなので何も出ないと思っていたら、パンと水が配られました。
しかもこのパンちゃんと温められたおかずパンです。
スパイスの風味のするチキンフレークらしきものが入っていました。
パン生地自体もおいしかったです。
それに、乗客の少ない機内にエアコンが効きすぎて寒かったので温かいのがうれしい。
予定より20分早く着きました。
とても小さな空港です。
あまり人もいませんでした。
外の天気はまあまあ。
降りてきた乗客はあっという間に迎えの車やタクシーで去っていき、人がいなくなりました。
出口の側に空港バスが停まっていましたが、利用者がいるのか、どれくらいの間隔で運行しているのか分かりません。
私が着いたときは乗ろうとする人はいませんでした。
タクシーは数台待機しているので、街へ向かいます。
街までは15~20分くらいだったと思います。
道中の印象はとにかく殺風景。
道路はだだっ広くきれいなのですが、周囲に何もないのです。
やがて荒野の中の新興都市といった感じの街が見えてきました。
ゴルムドに関しては情報が少なすぎて、外国人が泊まれるホテルがあるのか?
というのが問題でしたが、予約サイトに外国人の口コミが投稿されていたこのホテル。
ホテルチェーンの7天酒店を予約しておきました。
とても明るくきれいです。
ベッドに造花のバラが置いてあるさりげないおもてなし。
そしてここの受付のお姉さんの対応が素晴らしく、チャルハン塩湖に行きたいと相談すると、
スマホ翻訳でささっといくつか私に質問すると、1時間後には車が来るよう手配してくれました。
1時間後、ドライバーが来てくれて出発。
ドライバー氏の第一印象、サングラスをしていかつい感じで故金正男氏を連想しました。
ですが、サングラスのの下はぱっちりした目の可愛い顔。
でも心の中ではすでに正男兄さんと名前が決まってしまう。
街はすぐに過ぎ去りこんな景色に。
まずきれいな新しい街~さびれた古いシャッター街~砂漠・荒野といった風に景色が移って行きました。
ゴルムドの中心はきれいに整っているし、学校もありますがこの街にとどまる若者は少ないのではないかと思ったり。
でもWikipediaの街の平均年齢32歳という情報もあるし、興味深い街ゴルムド。
かつてはラサへの中継地として人が訪れたようですが、青蔵鉄道開通後はそれも減ったとのことです。
平原を貨物車が走っていきます。
ここでちょっと、帰りの鉄道8時間半を想像して気が遠くなりました。
私がここへ来たいと思ったのはまず、青海省とウイグル自治区の境界近くに翡翠湖という
とてもきれいな湖の存在を知り、アクセス方法を調べました。
最寄りの街から30㎞とのことですが、そこまでが遠い!
そして情報が少なく、遠い、バスは通っているらしい、くらいしか分かりません。
周辺の情報を検索しまくり、ふと目にとまったのがチャルハン塩湖。
ここも遠いなと思っていたところ、偶然片道だけ通常の半額以下の航空券を発見したのです。
それなら行くしかない、帰りは鉄道でのんびり帰りましょうとやってきました。
ちなみに西寧からゴルムド空路80分、陸路8時間半です。
そのうち、こんな工業地帯へ入りました。
こんなところに大きな工業団地がある!
なんだか巨大なオブジェみたいだと思っていたら、
突然、海に出た!
これがチャルハン塩湖です。
塩が乾燥してカピカピになっているようなのを想像していたら、ものすごい水量の果ての見えない湖でした。
これは車のガラス越しの画像ですが、
降りてみると一面白と緑の世界。
眩しい!
塩のビーチです。
あの工業地帯はこの湖の塩を利用するためのものだったのです。
なんと60億人1000年分の塩があるのだとか。
32㎞の塩の橋だそうです。
どこまで続くのか全く先が見えません。
ものすごい強風が吹いていて、本当に海のようにどんどん波が打ち寄せてきます。
天気はちょっと薄曇り。
強風で雲が流れて、晴れ間が見えたり曇ったりしていました。
風が止んだり、雲がなかったらまた違った景色になるのかもしれません。
でも何も遮るもののないこの広い場所でこの風が止むことはあるのでしょうか。
水際に設置された階段に塩の塊ができています。
これはもう塩の岩。
ザクザク。
こんな自然のど真ん中にはそぐわないはずの工場の一部も
何となく絵になるように見えてしまうこの雰囲気。
ひたすら感動するしかない幻想的な世界です。
地球ってすごい。
このようなパネルがいくつか設置されていて、塩の利用法などが書かれています。
こんなのも建っていますが、有名観光地のように星はついていません。
ささやかに小さな展望台とこの日陰のスペースがあるだけで、全く観光化されておらず人もまばら。
多分、近隣の人たちがドライブがてらやってくる程度だと思います。
このまま観光化されず、大陸の奥地で静かに塩を産み出してほしいと思います。